なぜ、「下積み」を断ると彼らは理不尽に怒るのか

今日の書き手安田 佳生

 

id:dennou_kurageさんの記事を読んで。

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 「下積み原理主義」とは非常に上手い。仰るとおり、日本社会では「下積み」が必要以上に強調されすぎている。・・・

 

下積み。

 

私の大嫌いな言葉です。

 

それにしてもこの方、鋭い分析をしていますね。

 

このブログの著者さん曰く、下積みには二つの種類があるのだそうです。

 

その1:本当に修行になる下積み

 

その2:ただの順番待ちの雑用

 

この分析は素晴らしいです。

 

私は中学生のときに卓球部に入部しました。

 

そして半年後に退部しました。

 

その間、部活に出たのは三回だけです。

 

なんてやる気のないヤツだと思われるかもしれません。

 

でも私はものすごくやる気だったのです。

 

私が辞めた理由をお話ししましょう。

 

それはまず、部活の一日目にありました。

 

始めから終わりまで、ひたすら走るだけ。

 

それも下半身を鍛えるというよりは、部活の厳しさと上下関係を叩き込むためという感じでした。

 

これはつき合ってられない、と思いました。

 

なのでしばらくお休みしたわけです。

 

しばらくするとしごきがなくなり、ようやく体育館の中で卓球らしいことが始まりました。

 

そこで3ヶ月ぶりに部活に出たわけです。

 

ところがそこで待ち受けていたのは、ただの球拾い。

 

1年生はひたすら先輩の打った球を拾わされるわけです。

 

これはつき合ってられない、と再び思いました。

 

さらに数ヶ月すると、ようやく1年生が球を打たせてもらえるようになりました。

 

そこで私はまた3ヶ月ぶりに部活に出たわけです。

 

すると先輩に思いっきり怒鳴られました。

 

なぜ今まで部活に来なかったんだ!と詰め寄られました。

 

なので私は正直に言いました。

 

私は卓球がやりたかったのであって、球拾いをやりたかったわけではない、と。

 

すると先輩がさらに怒るわけです。

 

だから素直に聞いてみました。

 

「球拾いをやったら卓球が上手くなるのですか?」と。

 

先輩は顔を真っ赤にして私にビンタしました。

 

そして退部になったというわけです。

 

あれはきっと下積みという名の順番待ちだったのです。

 

コピー取りやオフィス掃除と一緒。

 

そんなものを続けても、卓球は上手くならないし、仕事が出来るようにもならない。

 

誰もがやりたくないただの雑用。

 

新しい後輩が入ってくるまでの順番待ち。

 

こんなものを下積みと呼ぶなんて、人を馬鹿にするにもほどがありますよ。

 

Written by :安田 佳生

 

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