読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

夫婦喧嘩の奥義

川崎 貴子の「酒と泪と女と女」

今日の書き手川崎 貴子

 

夫のすごいところ - chirashiはてなブックマーク - 夫のすごいところ - chirashi

さて、人に会うたびに「夫氏は家事をしなくて大丈夫なのか?」といった主旨のことを聞かれまくったので、ちょっとブログにまとめてみようかと思います。ノロケ注意。・・・

 

世の中にはこんな風に、阿吽の呼吸で夫婦になれるカップルがいるのだと、id:chira_rhythm55さんのブログを読んでとても羨ましくなりました。

 

 

本来家庭に安らぎを求めながら、何故か戦場にしてしまっている夫婦の何と多い事か!

 

 

夫婦喧嘩・・・。

 

それは、家庭内の覇権争い。

 

 

恋愛関係ならば、喧嘩をしてもしばらく連絡を取らなかったり、そのまま別れてしまっても、まぁ誰にも迷惑がかからないので自由ですが、

 

「結婚」をしているとそうはいきません。

 

 

子供がいる場合は更に大変です。

 

「子供の前では喧嘩できない。」「家出ができない。」ため、深夜からのスタート~子供が朝起きるまでの「時間制限付きタッグマッチ」となり、気力知力体力を総動員して取りかからなければならないからです。

 

 

私と夫も、それはもう、よく喧嘩したものです。

 

特に一緒に暮らし始めた7年前。

 

ダンサーとベンチャー経営者という異文化、8歳の年齢差、収入格差、私の連れ子付き生活(前夫面会あり)という、背景だけで火種は十分。

 

更に、当時拡大路線で経営していた私は、時間が膨大にあり、家でストレッチをしていたい夫の事情に付け込み、家事と育児を丸投げしていました。

 

 

慣れない生活に夫のストレスは最高潮に。

 

 

そもそも夫は右脳全開の仕事(即興ダンス専門)。

 

「交渉する」というスキルを全く持ち合わせていませんでした。

 

過去にお付き合いした女性達とも、不穏な空気が流れたり、喧嘩するとその場で別れてきたそうで、男女関係修復経験もゼロ。

 

 

そんな男が、こんなやっかいな物件(私)と同棲してしまったのだからさあ、大変。

 

 

夫は、「喧嘩をふっかける」という最終手段で、私への不満を叫ぶのでした。

 

 

私はかなり年上ですし、喧嘩も面倒なので当然スルーします。

 

また、口喧嘩に関して言えば、営業上がりの、当時「ベンチャー経営者10年選手」だった私に夫が勝てる見込みは皆無。

 

そんな卑怯な戦いを受けて立つ訳にもいきません。

 

 

私は、武士の情けで刀を抜かず、

 

「やめておけ、経験値が違う。」

 

と、横顔で語りかけます。

 

 

しかし、何度も丸腰で挑んでくる夫。

 

 

そして、とうとう夫は、

 

「それは人として言ってはならぬ。」

 

というNGワードを失言してしまい、

 

巨神兵の如くゆらりと立ち上がった私に絨毯爆撃される・・・。

 

これが、我が家のスタンダードバトルでした。

 

 

一年後、そろそろ籍を入れようという話になった時に、こんな不毛な事を繰り返していてはならないと思った私は、次回のバトル後からOJTを実施することを決めました。

 

そして、勃発後、

 

「振り返ってみて。今日の喧嘩のこの台詞、これを言う前に一回冷静になって、相手の怒りポイントを見極める。わかる?ここで勝敗が分かれるんだよ。」

 

・・・真夜中の、まさかの将棋対局解説。

 

「あの時、間髪入れずに私の上げ足を取ったのは良かったよー。相手が疲れてきた時にたたみかけること。口喧嘩はね、より冷静でえげつない方が勝つから。」

 

・・・真夜中の、まさかのヒーローインタビュー。

 

他にも、相手を怒らせない交渉の仕方や、喧嘩を終わらせる誘導の仕方などを伝授していった所、夫は「貴子ロジック」として崇め、恐れ、夫婦喧嘩の回数は激減していったのでした。

 

 

それから更に6年が経った現在。

 

私も夫もすっかり落ち着き、殆ど喧嘩もしないで過ごしておりました。

 

が、先日酔っている時、私の落ち度を突然突いてきた夫。

 

ノーガードだった私は会話の背後を既に取られ、不用意に発した言葉の矛盾点を突かれ、あれよあれよという間に挽回不可能な形勢に。

 

 

ダンスをやる前は理系だった夫は意外にもスムーズに、長年の私とのやりとりの中で、完璧な奥義を身に着けておりました。図らずも、の一夫相伝。

 

「まいりました。ごめんなさい。」

 

と、詫びながら、やられてしみじみ解る「貴子ロジック」のウザさ。

 

因果応報とはまさにこのこと也。

 

勝ち誇っている夫は姿勢良く私を見下ろしていました。

 

しばし、このモンスターを作ってしまった迂闊な自分に思いを馳せながらも、師匠としては、少しばかり嬉しいアンビバレント

 

 

そして、27歳から34歳という、男性にとっても貴重な期間を私と娘の為に頑張ってくれて、数々の困難(主に私)を自ら成長することで乗り越え、家庭を支えてくれた夫。

 

そんなことが私の思う

 

「夫のすごいところ」

 

なのかもしれません。

 

Written by :川崎 貴子

 

ぼくら社2013年12月の新刊発売中!
リンゴを半分に切るだけで、あなたの人生は変わる。

リンゴを半分に切るだけで、あなたの人生は変わる。