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おまえのものも、オレのもの。ジャイアニズムのすゝめ

下出 裕典の「いと、えんなり」

今日の書き手:下出 裕典(ぼくら社取締役)

 

「涙は所有意識からくる。失って悲しいのは、所有しているという意識があるからだ」

というお話をいただきました。70歳ぐらいの、大先輩からです。

 

僕はこの言葉を聞いた時に、共感すると同時に、その先の話をなんとなく予想しました。でも、最後まで話を聞いたら、オチは僕の予想とは正反対だった。

 

先輩はこう言いました。

 

“俺の両親”が亡くなったらつらいだろう。他人の親御さんが亡くなってもそこまではつらくない。俺の子ども、俺の友だち。失ってつらいのは、すべてアタマに「自分の」、という所有格がつくものだ。つまり問題は、所有しているという意識なんだ、と。

 

たしかにおっしゃる通りですね!

僕は心からそう思いました。そしてきっと、「だから、所有するという意識をなくしなさい」と言われるんだろうなと、そう考えたんです。つらい想いをしないために。

 

だけど、違った。

 

 

「だから全部、自分のものだと思いなさい」が、先輩の言いたいことだった。

 

遠くの誰かが悲しんでいることを悲しめないのは、所有意識が足りないんだ、と。

俺の家族や友人だけでなく、俺の故郷、俺の国、俺の地球。そこまで思えれば、すべてのものを大切にできるんだ、と。隣人愛、アガペー。言葉は知っているけど、これは難しい。

 

すべてを自分のモノとして抱えながら生きる。そんな風に思える人のことを、器の大きい人というのかなぁ。

 

そう考えている時に、10年ほど前に同期のコピーライターが書いた清掃会社のキャッチコピーを思い出しました。

 

「みんな、自分のものだけキレイにする。みんなのものは、誰がキレイにするんだろう」

 

みんなのもの、という考えはつまり、当事者意識がないということ。それでは良くない。仕事や会社においても、自分のものだという意識を持って、ある意味で強引に進めていく人の方が伸びていく傾向があるようにも思います。

 

おまえのものはおれのもの。

おれのものもおれのもの。

ジャイアニズムこそ、究極のアガペーなのかもしれませんね。

 

Written by :下出 裕典

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