新入社員、ノロウイルスによって目覚める。
このブログ記事を読んでみました。
ノロウイルスに感染して、一週間うんうんうなされて、「正気に戻った」わけですね。この方は。
この方が勤めていた会社がどのくらいブラックなのか、それは私には分かりません。
たぶん、結構過酷で、そのくせ待遇は普通で、将来に希望が持てず、でもそんなの普通だよ、と言われそうな会社なのでしょう。
そう、そんなのは普通・・・だったわけです。
一昔前までは。
なぜ最近、ブラック企業が増えたのか。
若者の辛抱が足りんからだ。
と、考えている若者じゃない人、特に経営者は多いのではないでしょうか。
確かに、増えたのは『ブラック企業』ではなく、『ブラック企業だと感じる人』の方だと思います。
ではやっぱり我慢が足りないのか。
いえ、違います。私は違うと思います。
彼らは単に目覚めてしまったのです。
「何でこんなとこで働き続けなくちゃいけないの?」ということに。
頭が良くて、体力があって、素直で、行けと言われればどこにでも転勤し、サービス残業にも文句を言わず、仕事は辛いものだという常識を疑いもしない。
そういう有能な企業戦士には、彼らは二度と戻れないでしょう。
今、34歳以下の若者の2%がニートだと言われています。
人数にして60万人。
たぶんこの数字はこれからも増えていくでしょう。
働くのが当たり前。
仕事が辛いのは当たり前。
給料もらっているのだから我慢するのは当たり前。
そういう常識が彼らには通用しなくなっているからです。
ニートが増えているのも、ブラック企業が増えているのも、根っこは同じです。
つまり、もう、これまでの常識では、会社経営は成り立たないという事。
ノロウイルス君たちは、今日もどこかで若者たちを目覚めさせていることでしょう。
Written by :安田 佳生
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