幸せに人生をおくるたった一つのコツ

今日の書き手:古越 幸太

 

公務員保育士から、上場企業、ベンチャーの経営参画など、期せず流浪の人生を経ていろいろな人を見てきました。

 

仕事柄それは子どもであったり、親であったり、社員であったり、社長であったりしました。

 

中にはとても幸せそうに生きている人がいます。

 

とても、つらそうに生きている人もいます。

 

それは言ってしまえば多種多様ですが、傍から見て無理のない笑顔をしている人には、子どもであっても大人であっても同じ共通点があります。

 

年齢に関係がなければ、富の豊かさとも関係ありません。

 

それは、自分を誰かと比べないということです。

 

すくすくと絶えず笑顔で遊ぶ子どもは、自分自身を他の誰かと必要以上に比べません。

 

それは子ども自らもそうですが、声を掛ける親のスタンスに明確な違いが見て取れます。

 

例えば、トイレと帰りの会を終え、お迎えに来た親に「おしっこでそう」と子どもが言います。

 

ある親は子どもに対して、「どうしてさっき皆がトイレ行った時に行かなかったの」と話します。

 

一方である親は「おしっこ出るならトイレ行ってきなさい」と伝え、用を足した後で、「どうしてまたおしっこ出たの」と聞きます。

 

あるいは、皆で静かに紙芝居を聞く場面。つい子どもが耐え切れずに足をバタバタさせます。

 

ある親は子どもに対して、「どうして○○ちゃんは静かに聞いているのに、あなたは聞いていられないの」と話します。

 

一方である親は、「足をバタバタさせるとお話が聞こえなくなっちゃうよ」と話します。

 

違いはたった一つだけ。

 

事実をそのまま伝えるのか、誰かや何かと比べて諫めるのか。

 

視点を大人に移しても同様です。社長で例えるなら、リスクを取る際の価値基準。

 

事業を営んでいる以上、大きくするためにはどこかでリスクを取らないといけません。

 

ただ、同じリスクを取るにしても、その取り方には生き方のスタンスが反映されます。

 

この事業を大きくしたいとリスクを取る社長。

 

事業を立ち上げたのだから、大きくならないといけないと投資をする社長。

 

一見、同じ投資に見えますが似て非なるものです。

 

事業を大きくしたいという希望にフォーカスを当てるのか。

 

これだけのプロセスを経たのだから、事業を大きくしなければいけないという囚われから投資をするのか。

 

売上や利益に関わらず、にこやかな社長の投資スタンスは前者。どことなくしんどそうな表情をしている社長は後者。

 

それは一見お会いした時は気付きません。

 

ですが、数年を経て再開すると、やっぱりあの時のしんどそうな表情はそうだったのかと腑に落ちることがままあります。

 

その表情の差異は、世間一般にいう成功者の成功とはまったく別のベクトルにあります。

 

僕たちはつい既婚・未婚、財布の厚み、子どもの成績など、何かを誰かと比べます。

 

あるいは自分の好きなものを表現する時に、似た別のものを下に置いて、○○と比べて△△がいかに優れているかと語ります。

 

テストには平均点が、集団には偏差値が、子どもの成長には発達曲線があります。

 

モノを買う時には比較サイト、食事をする時にはグルメサイトを、開かずには選べなくなっているかもしれません。

 

けれど、それらは全て数字の集合体でしかありません。

 

あなたはあなたというたった一人の人間ですし、あなたの上司や社長も一人の人間です。

 

あなたに子どもがいれば、それもまたあなたとは全く異なる人格をもった一人の人間です。

 

悩みの種類は違えど、同じように悩み苦しんで生きています。

 

そうして周りを見つめると、考えるべきは誰かや何かとの比較ではなく、自分自身を深く見つめることに他なりません。

 

自己中心的に生きるのではなく、自分を見つめて生きること。

 

屈託なく笑う人がそばにいて、その笑顔の何が自分と異なるのかと考えているならば。

 

その答えはきっと一つだけ。

 

比べない、という生き方です。

 

Written by :古越 幸太

 

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