出世を望まない若者たち。
今日の書き手:安田 佳生
id:nyokkicondさんのブログ記事を読んで
管理職にならないと生活に困るくらい給料が低いとかならわかりますが、そうでなければ自分には出世する価値がいまいち理解できないのです。
出世に価値を見出せない。
だから最近の若いヤツは駄目なんだと言われそうですね。
でもこれは人類の進化、
というよりも当然むかうべき帰結なのだと思います。
管理職になる事の意味。
それは『社会的地位及び報酬の向上』だったわけです。
ところがその事情が変わってしまった。
管理職といっても名前だけ。
報酬は微増。労働時間は激増。
これでは管理職というポストに魅力がなくなるのも当然のことです。
そもそもポストに魅力があったのは、いくつかの事柄が約束されていたからです。
まず、終身雇用。
次に、年功序列。
そして、それらを支える業績の拡大。
しかし、それらはことごとく崩れ去りました。
まず終身雇用。これを保証する事はもはや不可能でしょう。
いや、それどころか、企業はどんどんリストラに精を出しています。
30年後40年後には会社があるかどうかすら分かりません。
そして年功序列の崩壊。
これは自分より下にどんどん若者が入って来るという、ピラミッド型組織でしか成り立ちません。
しかし、日本の若年労働人口が減り続けている現在、どう考えても組織はピラミッド型にはならないのです。
業績も長らく低迷。
市場では新興国との価格競争が激しく、利益を確保するには人件費を削り続けるしかない。
そんな組織の管理職になりたがらないのも、当然と言えます。
では、なぜこんな事態になったのでしょう。
景気が悪くなったから。
人口が減ったから。
新興国が台頭してきたから。
もちろん、それらは原因のひとつではあります。
でも根本的な原因は、もっと他のところにあるのではないでしょうか。
それは、成長を前提とした組織運営の限界。
確かに新興国ではまだ成長は続いています。
でもそれもいつかは終わりが来る。
永遠に成長し続けることなど不可能なのです。
だからそれを前提とした組織もいずれ成り立たなくなる。
ついにその時が訪れたのです。
成長ではなく現状維持。
後ろ向きに聞こえるかもしれません。
でもそれは受け入れるしかない現実なのです。
その現実を若者は素直に受け入れた。
ただそれだけの事なのかもしれません。
Written by :安田 佳生
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