「木曜提出」と言われたら、17時か、24時か、金曜朝か?

今日の書き手:下出 裕典(ぼくら社取締役)

 

このブログ記事を読みました。 

同じ言語でも成り立たない会話 | 南 充浩 ブログはてなブックマーク - 同じ言語でも成り立たない会話 | 南 充浩 ブログ

同じ業界で、同じ日本語という言語で会話していてもお互いが違う意味で同じ言葉を使っている場合が結構ある。繊維・ファッション業界の情報共有化がなかなか進まないのは、同じ発音で違う意味の言語を使っている人が多いのも一因ではないか。

 

同じ言語なはずなのに、なぜか会話が成り立たない。

 

これは、本当によくある話。

 

たとえば制作系の人間がよくやる勝手な解釈が、

「木曜日中の提出」みたいなオーダーの受け取り方。

 

まっとうな社会人は、これを

「遅くとも木曜日の17時まで」と受け取ります。

 

しかしたいていの制作マンは、

「木曜日中ってことは木曜の24時までっすよね」

と考えるし、たちの悪い人になると

「どうせ24時とかに提出しても先方も確認できないし、

木曜中ってことは金曜の朝までに出せばいいじゃん」

みたいな捉え方をします。

 

そして、もめる。

 

いい悪いというより、同じ言葉に対する捉え方の違いが大きい。

 

「この企画でいいかどうか、先方(上司)に確認して」という言葉も、

受け取る人間次第でかなり感覚が違います。

 

確認しといて、としか言わない方も悪いんですが、

確認しといて、と言われて

「これでどうですか」としか聞かないヤツ。

これはビジネスマンとしての最低レベル。

 

『確認』というのは、プレゼンとヒアリングのセットです。

提出した企画の意図や良い点をしっかりプレゼンし、

その上で懸念点をヒアリングする。

そこまでやって始めて「確認しました」と

言っていいのだと僕は思ってます。

 

 

同じ言葉でも、捉え方は人それぞれ違う、ということを

意識してない経営者やマネージャーは、かなり危険です。

上記のようなズレが起こるリスクを

認識できてない、ということだからです。

 

「我が社は顧客満足を再優先する!」と声高に叫んでみても、

顧客満足とはどういうことか、という認識が人それぞれ違う。

それどころか、顧客って誰よ、という意識にもズレがある。

 

これでは社内を一枚岩にまとめることなど夢物語ですが、

ほとんどの企業がこの状態にあることも事実です。

 

僕の本業は企業ブランディングですが、

外向けに発信する言葉と同じぐらい、

社内に発信する言葉にも気をつけないと、

強いブランドはつくれません。

 

 

最後に。

ほんとかどうか知らないのですが、

カルロス・ゴーン氏が日産自動車のCEOに就任した際、

最初にやったのが『社内で使われる言葉の統一』だったと

聞いたことがあります。

 

・1ヶ月の調査期間を経て、

・社内でよく使われている30の単語をピックアップ

・それぞれの言葉をしっかりと定義付けし、

・社員への浸透を図る

 

日産自動車は巨大企業なので30個になっていますが、

中小企業であれば5~10個で十分だと思います。

 

ムダな議論やすれ違いがなくなり、お互いのストレスが減る。

そして、ひとつの目標に向かって強力に突き進むことができる。

 

『共通の言語』を持つ組織は、早くて強い。

覚えておいて損はないと思います。

 

Written by :下出 裕典 (記事一覧

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