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TCCについて語るときにぼくの語ること

佐藤 康生の「伝えるということ」

今日の書き手:佐藤 康生(ぼくら社取締役)

 

毎年、桜が終わり、GWが近づいてくると、

たくさんのコピーライターたちが胸を

どきどきさせる季節がやってきます。

 

TCC賞の発表が間近に迫ってくるからです。

 

TCC(Tokyo Copywriters Club)

 

業界以外の方はさっぱり

わからないと思いますが、

日本全国で活躍する

コピーライターたちの組織です。

 

TCCの新人賞を受賞すると、

クラブに入会できる資格が与えられます。

 

今年の新人部門には、

426名の応募があって、

受賞は20名ということですので、

なかなかの狭き門です。

 

ぼくはこの新人賞を、

32歳の時にいただきました。

たしか応募して3回目だったかと思います。

 

小さな証券会社の求人広告でした。

 

嬉しかったです。でも、正直言うと、

もっと早くとれるかなと思っていました。

 

いまから振り返ると

コピーライターになりたての頃のぼくは、

広告を借りた社会批判のような

コピーばっかり書いていたので、

そういう拗けたものは

やっぱり落ちてしまっていたわけですね。

 

32歳にしてようやくとることができ、

翌年には審査委員長賞というのをいただいて、

よーしこれからという次の年、

ぼくはTCCを退会しました。

 

「どうしてやめたの?」

知り合いの業界関係者は

びっくりしたみたいです。

「これからは佐藤君が来ると

思っていたんだけどなぁ」

と嬉しいことを言ってくれた

コピーライターもいました。

 

まあね、いろいろあって。会費高いし。

聞かれるたびになんとなく

言葉を濁して答えていましたが、

じつは退会したのには理由があります。

 

いろんな方々に評価していただき

コピーライターとしての世界が

広がっていく一方で、

当時のぼくの私生活はぐちゃぐちゃでした。

自分の浅はかさが招いたことが、

深刻な問題へと発展し、

引きずり込んでしまった相手を

深く傷つけることになってしまったのでした。

 

自分も傷つきましたが、

それはずるがしこい傷であり、

相手が負った傷に対しては、

あまりにも軽度のように思えました。

 

人生は、いつも繊細な

バランスの中で揺れています。

 

誰かの大切なものを奪ったら、

自分の大切なものを

差し出さなくてはいけません。

 

TCCはそのときのぼくにとって

とても大切なものだったので、

手放すことにしたのでした。

 

それから、TCCは僕にとって、

関心はあるけれど、

関係のないものになりました。

 

制作物を自分から出品することも、

発表をどきどきしながら

待つこともなくなりました。

 

けれども、コピーは

ぼくにとってずっと

大切なものであり続けています。

 

TCCを退会した理由については、

いままで二人にしか話したことがありません。

 

いつもぼくら社のメンバーのために、

ブログネタを一生懸命探してくれる

フルコシ君のために

書いてみようと思いました。

 

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Written by :佐藤 康生 (記事一覧)

コピーの相談、伺います。

 

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ぼくだったら、そこは、うなずかない。

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