クリエイターは「そんな視点だれも思いつかなかった!」を目指してはいけない
「IKEAは、家族が生まれる場所もつくっています。」視点が面白いプリント広告 | AdGang
広告クリエイティブにはいくつかの手法がありますが、
この記事で取り上げられているIKEAのベッド広告は、
『商品の価値を再定義する』というやり方ですね。
ベッド。
世界中の誰もが知っている製品ですが、その価値を、
ただ眠る場所や休憩する場所ではなくて、
『家族がはじまる場所』と捉えて紹介する。
とても面白くてオシャレな視点だと思います。
『商品の価値を再定義する』広告。
他にもいくつか例を挙げてみましょう。
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文具メーカー『ステッドラー』
●使うたびに電源を入れる。そんな必要もありません。
(鉛筆を紹介している企業広告)
レンタルビデオ『TSUTAYA』
●観てない旧作は、新作だ。
東京都『東京遺産』
●日本人が一番好きな会議室は、居酒屋です。
(東京をもっと好きになってもらうためのポスター)
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どれもうまいですね。「たしかに」と唸ってしまいます。
他にも、価値の再定義という手法は様々なシーンで活用されていますが、
難しいのが再定義する時の『距離感』です。
「この商品にはあなたの知らないこんな価値もありますよ」
「うちのサービスは見方によってこんな特徴があるんです」
という提案をするわけですが、距離感を間違えると
「おいおいそれは強引だろ・・・」とか
「なに言ってるのかわかんないよ」という状態になる。
発信者側のひとりよがりになってしまうんですね。
つとめて冷静に、
「この提案は納得感があるかな」と振り返りながら
つくっていく必要があるわけです。
なかなか難しいものですが、ひとつコツをお伝えするなら、
「そんな視点だれも思いつかなかったよ!」
を目指してはいけません。
たいていのクリエイターがここを目指して、肩に力が入りすぎてしまう。
結果、自分以外には共感されないモノになる。
テンションとしては、
「言われてみればそうだよねぇ」
ぐらいの距離感を目指すといいと思います。
「言われてみればそうだよねぇ」は、なかなか強い共感を生むものです。
まぁ、そう思ってても、ピタリとハマる
表現をつくるのは簡単ではないんですけどね。