はじめてのバーへのすすめ
どうやってバーに通えばいいんだろう(はてな匿名ダイアリー)
バーに行くと色々と楽しいことが起こったり、人間関係が広がったりするようなので、行ってみたいと1年以上思っている。
がしかし、行くまでのハードルが高すぎる。
上の記事を読んで、ふと思い出しました。
バーでしか飲めないお酒もある。
そう知ったのは、つい最近のことです。
居酒屋なら「とりあえず生」で始めて、小洒落たダイニングバーなんかでは赤ワインを頼みます。
カクテルを中心に置いてあるお店だと、ジントニックを頼みます。
特別大当たりもしないし、大外れもしない。
そんなメニューが好きですし、そういう生き方を好んでいました。
ぼくら社に入る前。
僕が前にいた会社の社長と共に、ぼくら社の編集長が勧めるバーへ。
時期は夏の終わり頃。
「ここはスイカのカクテルが美味しいんですよ」
そう言われて頼んだ一杯は、きりりと冷えたグラスに淡い朱色のショートカクテル。
印象的だったのは、ソルティドッグのようにグラスの縁をまとう塩。
縁に口をつけて飲み込むと、塩の辛さでスイカの甘みがきわだって拡がります。
「スイカを生で食べるより、もっと美味しいスイカの食べ方です」
バーにはそんなお酒もあるのだと知った夜でした。
それから何度かバーを訪れては、機会があれば果物のカクテルを頼みます。
そうして気付いたことは、バーのカウンターには生の果物が置かれていること。
あれは旬であることを伝えると共に、果物のカクテルを勧めるものでもあったんですね。
気付いてしまえば何ということのない置物ですが、知らないときには視界に映っていないものです。
少なくともそれまで、「あの果物でカクテルを」と頼んだことはありませんでした。
そうした発見は初めてバーのカウンターをくぐることから、見つかるものなのかもしれません。
あるいは、生きていくことと同じように。
Written by :古越 幸太