社長になれば自由になれるという幻想

今日の書き手:安田 佳生

 

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昨年暮れから会社員に戻り、気づけば3カ月になる。小さい会社に入れてもらったら、これが自分でも不思議なくらい快適で、3日たっても、3週間たっても、3カ月たっても、辞めたいとは思わない。というのも、裁量労働制で成果物さえ出せば、あとはご自由にというストレスフリーな環境。

 

フリーランスに限りなく近い会社員。

これこそ理想の姿なのかもしれません。

 

私も会社員には向いていませんでした。

何しろ管理されるのが大嫌いなのです。

 

毎日同じ電車に乗って、

同じ時間に出社して、

同じ仕事を黙々とこなす。

同じ時間にランチを食べ、

同じ時間に会社を出て、

同じ電車に乗って帰る。

 

1年8ヶ月が私の限界でした。

そして自由になるために起業したのです。

社長になれば、時間も行動も自由。

もちろん、それは甘すぎる幻想でした。

 

当たり前の話しですが

起業したての社長の仕事など、会社員と何の変わりもありません。

朝から晩まで働いて、やりたくない仕事もやって、

その上収入は会社員以下。

それが現実なのです。

 

それでも、もっと会社が大きくなれば、

その時には自由が手に入るはずだ。

そう思って頑張りました。

でも会社が大きくなればなるほど、

不自由は増えていくばかりなのです。

 

人前で話すのが苦手なのに、

社員の前で話さなくてはならない。

責任感など皆無な人間なのに、

常に責任感を持って行動しなくてはならない。

やりたくない仕事はどんどん増えていき、

自分の事を考える順位はどんどん下がっていく。

最後の頃はもう、自由を半ば諦めていました。

 

でもその状態が突然なくなったのです。

会社がなくなり、社長の仕事もなくなりました。

自分の事だけに責任を持てばいい状態。

やりたい事だけをやればいい状態。

社長でなくなってからの2年間、

私はずっと一人で仕事をしていました。

自分の生活費さえ稼げればいい。

誰も雇わず、誰にも雇われず、生きていく。

つまりはフリーランスになったのです。

 

でもそれも、2年もやっていると飽きてきます。

そして不安にもなってくるのです。

今は仲間が集まって、

新しい会社をやっています。

お互いが自立しているので

『雇う・雇われる』という関係ではありません。

その代わり、保証があるわけでもない。

でもこれがなかなか、快適なのです。

 

よく考えてみたら、

会社員でもこういう働き方が出来たのかもしれません。

安定した報酬や保証、

そういうものを放棄する代わりに、

時間ややり方を束縛されない働き方。

まさに、フリーランスに限りなく近い会社員。

そういう働き方が

これからどんどん増えていきそうな気がします。

 

Written by :安田 佳生 

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