外に出ると、高確率で道とか聞いてくる人にエンカウントする話
今日の書き手:古越 幸太(ぼくら社副社長)
小さいころからそうなのですが、不思議とひとりで歩いていると知らない人によく道を聞かれます。
大通りはいざ知らず、駅でも、バス停でも、細い道でも、路地裏でも、トイレでも聞かれます。あと「ひょっとして童貞?」って年に数回言われますが、それは別の悩みですね。
日本人だけではありません、外国の方からも聞かれます。
僕が方向音痴でなければ喜んで期待に応えたいのですが、千の風になっても目的地には辿りつけないものでして、いくら目ん玉ひんむぃても見えねぇもんは見えねぇぜと肩で風を切ってます。タップダンスは踊れません。それにしたって、いつも話しかけられます。いやな渡世だぜ。
例えば交差点。
ひざ丈ストッキングで脚を固めた中年のお嬢さんが、中盤の底のシャビばりに首を振りながらパスの出し手ならぬ道の聞き手を探しているシーンよくありますよね?ようこそいらっしゃいました、お元気でしょうか。私も人のことをどうこう言えませんって漫談ライフのこんにゃく畑。
こういう場面では八名信夫さんの「あ”〜、まずぃ!もう(いろいろな意味で)イッパイ」な表情で下を向いてやりすごそうとするわけですが、学校の授業で先生が「じゃあ、この問題を解けるひと…」って言うやいなや一斉に下を向いたはずなのに「今慌てて下を向いた古越くん」と、大沼の四球あるいは新井さんの併殺よろしく予定調和に話しかけられます。ちょっとSTAP!言っても、それは悪魔の証明。もっと、ほかに道に詳しそうな人がたくさんいるはずなのに。不思議です。
変わってメトロ車内。
「秋葉原から乃木坂ってどうやって乗り換えるんだっけ?」と若い男の子二人の声がして。電車を使って25分、有楽町経由の千代田線。歩きはないてか、秋Pの気分次第?って振り向いたらまんまの車内広告。自意識過剰もいいところ、道を尋ねる人おらず。待ち人すべからく来たらず。そんな僕はAKBよりラブライブ。ぜんぜん関係ない話でした、にこにこにー。
http://nogizaka-journal.com/archives/akb48-nogizaka46-yahoo.html
路上に限らずスーパー。
「朝はパン、パンパパンと、あと、この間売ってた100円の卵どこ行っちゃったかしら?」とご機嫌なひざ丈ストッキングで脚を固めた中年の松下由樹に似てないお嬢さんに話しかけられては、土曜日のセール限定ですが…と言う前に、むしろお嬢さんが風と共に去りぬるぽ。
もしも願いがっ、3つ叶うなら。
路上で話しかけられないこと、童貞?って言われないこと、そもそも道が分かる人になりたい新緑の季節。明らかに地元民じゃないのに誰かに何かを尋ねられることが多くあれども、僕は話しかけるのが苦手です。路上でものを聞くことはないでしょうし、麦わら帽子か素材感安めのタオルを頭にかぶって、みつをっぽい詩を売ることもないでしょう。感謝カンゲキ雨ざらし。
『路上で困ったらとりあえずその辺の人に聞いてみる』クラスタの方、あるいは『ただ普通に道を歩いているだけなのになぜか話しかけられる』属性をお持ちの方がいらっしゃれば、推論考察伺ってみたいものです。
先日、街の交差点で「高田馬場駅ご存知ですか?」と聞かれまして。
脳内自信満々に予習復習再履修からの、あらぬ方向にある西早稲田駅方面を指してしまったことに今更ながら気が付きまして。ハンカチを後ろポケットから取り出して、汗を拭いながら、懺悔を込めてこう言うわけですよ。
ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!
Written by :古越 幸太
ぼくら社編集長が執筆した書籍です!
著者である安田佳生が社長でなくなり、自己破産を経験し、全てを失くした中で考えたこと。社長でなくなった人だけが言える会社の不思議、自己破産経験者だけが言える社会の不思議。立ち止まらざるを得なかった著者が、立ち止まれない現代人に贈る、気づきの数々。