暇そうな社長がいる会社は安泰?
今日の書き手:安田 佳生
id:dkfjさんのブログ記事を読んで
年末ということで、自分がどのような働き方を目指しているのかを改めて考えてみました。結論的には、自分がいなくても仕事が回るような仕組みやチームを作り、いつでも抜けられる状態にするということです。
自分をクビにできるように働く。
それはつまり「自分がいなくてもまったく困らないようにする」ということ。
人を育て、仕事を任せ、離れていく。
でもそんな事をしたら自分の仕事がなくなって、本当にクビになるのではないでしょうか。
いや、なりません。
絶対になりません。
会社はそんな重宝な人材を決して手放したりはしないのです。
自分がいなくても困らない状態。
それは言い換えるならば、自分がいなくても仕事が片付いていって会社に利益が残る状態、ということです。
自分がいなくても良くなれば、自分の人件費分の利益も増えます。
つまりこの人は会社の中に利益生産装置を作り上げたということです。
直截的な利益を生み出してくれる黒字の営業マンも会社にとってはありがたい存在です。
でももっとありがたいのは、利益生産装置を作ってくれる人。
だからこういう人は絶対にクビになりません。
では利益生産装置を生み出した後、会社はこの人に何をさせるのか。
もっと大きな利益生産装置を作らせるのです。
そのためには更に大きな部署を任せるしかありません。
その大きな部署でも見事自分の居場所をなくし、大きな利益生産装置を作り上げる。
そうすると更にまた大きな部署へと出世するというわけです。
まあ、言うなれば金の卵を産むニワトリですね。
仮に上司や経営陣の頭が悪く、金の卵を産むニワトリを評価しなかったとしても、社会(他の会社)は決してそのような人材を放ってはおきません。
でもやっぱり、大半のビジネスマンは仕事を抱え込んでしまいます。
いえ、ビジネスマンだけではありません。
経営者の中にも仕事を抱え込んでしまう人は非常に多いです。
社長がいなければ仕事が回らない中小企業などはその典型です。
「やれやれ、俺がいないとこの会社は回らないな」
などと愚痴をこぼしながらも、内心は必要とされる満足感で一杯なわけです。
でもこれはできる経営者とは言えません。
社長がいなくても勝手に利益が上がる仕組み。
それを作り上げるのが社長の仕事なのです。
だからゴルフや旅行ばかりしている社長を「駄目社長」「なまくら社長」と思ってはいけないのです。
こういう人たちこそ、きちんと社長業をやっている人たちなのですから。
Written by :安田 佳生
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